なぜディズニーはジャズに化けるのか?
「ジャズ」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 「お洒落な喫茶店」「夜のバー」といった落ち着いたイメージかもしれません。しかし、ジャズの本質はもっとエネルギッシュで、自由な「壊し」の中にあります。
その面白さが最も分かりやすく現れるのが、ディズニーソングのジャズアレンジです。誰もが知る完璧なメロディーが、ジャズの魔法(リズムと即興)によってどう生まれ変わるのか。今回は「ジャズの基本」をおさらいしながら、おすすめのディズニー・ジャズをご紹介します。
ジャズをジャズたらしめる「2つの魔法」
① アドリブ:一期一会のエンターテインメント
「アドリブがなければジャズではない」と言っても過言ではありません。 ジャズの基本構成はシンプルです。「テーマ(元のメロディー)」を演奏し、そこから各楽器が「即興(アドリブ)」で物語を広げ、最後にまたテーマに戻る。
このアドリブパートでは、奏者同士の事前の打ち合わせはほとんどありません。その場、その瞬間の会話を楽しむ。このスリルと、奏者の腕の見せ所こそがジャズ最大の魅力です。
② オフビート:身体が揺れる「2・4」の引力
日本の盆踊りなどは「1・3」拍目を強調するリズムですが、ジャズはその逆。「2・4」拍目にアクセントを置く「オフビート(裏打ち)」が基本です。 これから紹介する曲を聴きながら、ぜひ「1、2、3、4」と2拍目と4拍目で手拍子をしてみてください。その「いつもと違う、少し浮き上がるような感覚」が、ジャズ特有の心地よい雰囲気の正体です。
こちらを聞いて、1,2,3,4と声に出してリズムをとってみるとわかると思いますが、いっち にー さん しー と1,3を強調して歌ってしまうはずです。
一方でジャズの場合にはその反対の「2,4」が強拍になるのです。後ほどご紹介するディズニーのジャズアレンジの楽曲に合わせて1,2,3,4と声に出してリズムをとってみてください。
ディズニーソングのジャズアレンジ曲のご紹介
ディズニーソングのジャズアレンジされた作品を紹介していきます。 ジャズ特有の雰囲気を出しながらもディズニーソングのワクワク感も適度に残された、絶妙なブレンドがされている作品を、ご堪能ください。
【Work】勢いをつけたい時に:アンダー・ザ・シー
『リトル・マーメイド』の代表曲。アップテンポな原曲の良さを活かしつつ、ジャズ特有の遊び心が随所に散りばめられています。「今は勢いをつけて仕事を片付けたい!」という時のBGMに最適です。
【Relax】夜のドライブやデスクワークに:ホール・ニュー・ワールド
『アラジン』の王道バラード。このアレンジはドラムが入っていますが、主張しすぎず、夜の静寂に溶け込むような絶妙なバランスです。 私はこのアルバムをCDで持っていますが、全編通して落ち着いたトーンで統一されており、夜のドライブデートで流せば最高にロマンチックな演出になります。
【Sleep】深い眠りへ:コンパス・オブ・ユア・ハート
東京ディズニーシーのアトラクション『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』の名曲。 ピアノ一本で奏でられるこのアレンジは、睡眠導入にぴったりです。晴れ渡る海を想起させる美しい旋律が、ジャズの和音(テンション)によって、より深く、優しく心に響きます。
【Night】お城の情景が浮かぶ:ビューティー・アンド・ザ・ビースト
『美女と野獣』より。こちらもピアノソロによるアレンジです。 落ち着いたテンポの中に、ジャズ特有の「溜め」や「揺らぎ」が感じられ、聴いているだけで劇中の豪華なダンスホールの情景が浮かび上がります。一日の終わりに、自分を労う時間にぜひ。
まとめ:日常にジャズの魔法を
ディズニーソング×ジャズ。それは、ワクワクする物語の世界と、自由で知的な音楽性が融合した唯一無二のジャンルです。
仕事の集中力を高めたい時、あるいは一日の終わりに静かに眠りにつきたい時。その瞬間の気分に合わせて、ジャズの魔法がかけられたディズニーソングを選んでみてください。いつもの日常が、少しだけ特別な「シーン」に変わるはずです。

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