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憧れの「しぶい」テナーを目指して
ジャズを練習していると、ついつい「難しいスケールを使わなきゃ」「もっと速く指を動かさなきゃ」と、頭でっかちになりがちです。
でも、スコット・ハミルトンの演奏を聴くと、そんな強迫観念がスッと消えていきます。 彼は、小難しい理論をひけらかすようなことはしません。ただ、そこにあるメロディを、最高にしぶい音で「歌う」プレイヤーです。
そんな憧れを抱きながら、彼の『Autumn Leaves(枯葉)』のアドリブを解剖してみました。
コード進行は E7→Am7 です。

前半:キーの引力で「広く歌う」
今回注目したのは、E7からAmへ解決する瞬間のフレーズです。
「Eb → D → C → A」
まず驚くのは、コードを細かく追う前に、曲全体のキー(Am)を支配する「Aマイナー・ブルーノート・スケール」でゆったりと歌っていることです。
特にブルーノートのEbから始まり、D、C、Aと階段を下りる動き。これは特定のコードに縛られず、曲全体の「哀愁」をマクロな視点で表現しています。
後半:コードの骨組みで「しぶく着地」
広い視点で歌った後、解決の直前でハミルトンは視点をグッと絞ります。
「E → G# → B」
ここで、E7の構成音(1度、3度、5度)をストレートに鳴らします。
特にG#。これはAmのスケールにはない音ですが、E7の「3度」という最もおいしい音です。
まとめ:「歌う」ということ
Am7のところではコードのルートのAを伸ばします。
前半でスケールを使い「横」に歌い、後半でコードトーンを使って「縦」に響かせる。この切り替えこそが、シンプルなのに「ジャズの語口」を感じさせるしぶさの正体でした。
| フェーズ | 音の動き (in Bb) | アプローチ |
| 前半 | Eb → D → C → A | キー(Aマイナー・ブルーノート)で歌う |
| 後半 | E → G# → B | コード(E7のトライアド)で着地する |

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